2021.10.11
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証券投資でもうけた話はあまり評判が良くない。
特に株式投資の場合がそうだ。
株式投資の利益は努力の結果というより、運・不運によるものだという見方も根強い。
証券市場の将来を予測することは不可能に近く、証券投資が不確実性との戦いであることは事実だ。
だから、証券投資とカジノは同じようにみられがちでもある。
(中略)
この間の年平均騰落率(幾何平均)は10.4%であったから、投資家の期待を満たす水準だったということができよう。
しかし、注目すべきは年間騰落率の標準偏差が20.6%と、上下のブレが激しいことだ。
2011年はマイナス17.3%、13年はプラス56.7%と、年によって天と地の違いであった。
このように不規則かつ激しく変動する株価だが、定説は、長期で構えれば一定の投資収益を期待できることである。
何が肝心かといえば、長期投資に徹して、目先の変動をやり過ごすことだ。
(中略)
とはいえ、株価変動の嵐を耐え抜くことは、口でいうほど容易ではない。
下落は前触れもなく訪れ、想定外のマグニチュードで暴れまくる。
事実、11年3月15日は、たった1日で10.6%も下落した。
投資家のプレッシャーは並大抵ではなかったはずだ。
投資の世界の先人たちは、証券投資に成功する鍵は長期投資に徹することだと唱える。
(中略)
突如として市場下落に見舞われ、不安のもとで投資方針を貫き通すには、強い忍耐力が必要だ。
投資家が最終的に手にする収益の裏には、ここまで乗り越えてきた苦難と試練がある。
こう考えれば、投資収益は決して不労所得ではないはずである。
2021年10月6日 日本経済新聞 朝刊より